● 椅子(No.8) :座面の張り替え その1
前回の椅子(No.8)の座面を張り替えていきます。
まだ記事を書き始めたばかりなので、特別な用語や道具が出てきますがなんとなく読んでいて頂けると嬉しいです。
時期を見て、簡単な用語集を作りたいと考えます。
まぁ 「ふる~い椅子の座面を張り替えている」のだなぁ と思っていてください。
これから沢山の椅子やら机やら時計やら出てきます。 時には、エスプレッソマシンなんかも!
僕的には、理想のコーヒー店のアイテムの一部なんですけどねぇ!!(笑)
それでは、座面を張り替えていきます。
英国の古い椅子なので、座面への生地の取り付けは全て 「釘」で打ち付けてあります。
現在の椅子や最近張り替えられた椅子は「タッカー」というホッチキスの大きいやつが使われています。
しかし、「釘」は木の繊維を壊さず繊維を割って刺さっていくので、修復やある程度の繰り返しに向いているのです。
だから、アンティークの椅子には釘を使う職人さんもいるそうです。
ただ、使われないのは面倒くさい!! 手間が掛かる!! これに尽きるようです。 実は僕もそう感じました。(釘は大変です。)
まぁ 殆どのプロはタッカーを使うだろうなぁ。
さて、そのタッカーは便利で早く作業が終わるが、木の繊維を分断して刺さっていくので、刺さった穴は復活しにくい。
釘の跡も下のように熱湯をかけると、
下の画像のように穴がふさがるのです。
タッカーでもふさがるようだか、気の繊維を切ってしまっているのは変わらないですね。(ってその違いが判らん!!)
この座面は枠のみの座で、力布(りきふ)と言われる丈夫な麻布を格子状に張ることによりクッション性を実現したもの。
現在の椅子には殆ど見られない手間のかかる構造のようです。
一般には、力布(りきふ)として売っている事は無いと思います。道具の購入でも触れますが、DIYで「アクリルベルト」
と書いてあったものをメータ単位で購入、代用となるか試してみることにしました。
これは、作業用のベルトや作業バックのショルダーに使われているものです。
手芸洋品店でも同じ様なものを見たのでそちらでも良いのではないかと思う。
また、全ての生地を外した骨組みに亀裂が有ったので、膠(にかわ)で接合修復してみました。
基本は圧着接合が望ましいので、シャコ万で挟み込んでみます。跡が付く事を防ぐ為に当て板や当て布は欠かせません。
(そんな繊細な物でもないかも。)
そうそう、外した後の布や力布、中のクッション材(藁かなにか??etc)は出来るだけ再利用を試みているが、なにしろ80年近い前の代物
(多分!!)
見た目は良くても実はボロボロなのである。特に力布は再度張り直してみたが、繊維がボロボロですぐに伸びてしまった。