●古時計(No.2):キンツレ(Kienzle)-WestMinsterChime その2
キンツレ(Kienzle)ウエストミンスターチャイムの修復・
修理について
修復とは、破損した箇所を作り直すこと。
修理とは、こわれた所をつくろって直すこと。修繕。
この違い微妙ですが、修復個所とは破損したり無くなっている物を再現する事を、
修理とは塗装や動かない歯車などもとにあったものを手直しする事として分けてお話します。
修理個所
元の画像からはわかりにくいのですが、塗装面の傷みはかなり酷くワックスを塗った程度ではとても直らないものでした。
上の画像からもわかるように、塗装面のヒビ割れにより今にも剥がれそうなものでした。
また、画像ではこれもわかりにくいのですが、文字盤のメッキ部分は腐食して大変醜いのです。
写真とは重宝なもので、撮り方によっては実物より数段綺麗に写るものです。これが良いところでも有り、騙されるところでもあります。
(笑)
そんなわけで、おもいきって塗装を全部はがしてしまいました。はがした木肌を見ても大変美しく、この「虎目模様」 が映える塗装をしてみたくなったのです。
さらに、箱の中はかび臭く時計部分のサビの侵食はさらに進みそうでした。当然各歯車の調整や油の補充、振り子式天賦(テンプ)
の調整などが必要でした。
また、折角のウエストミンスターチャイムです、その音が存分に奏でられるようにネジの緩みや制振にも気をつけました。
次に、修復個所です。
最初に手をつけた修復個所は、向かって右側の台座の「割れと欠け」です。割れは接着すればよいのですが、
欠けは無いのですから作るしか有りません。
そして、3つ有るネジ回しのうち、向かって左側のネジのバネが折れています。ここは、時報を鳴らすための駆動源なのです。
このバネ材の修復には苦労させられました。