●塗装の剥離について
現時点での考えと、その方法についてお話します。ただし、アンティーク家具や古時計に限定したお話です。
また、あくまで「ド素人」の考えであって、プロの方に見られたら笑われるかもしれません。(笑)
アンティークと思しき家具の塗装は、修理すると言っても、基本的には剥離しない方向のほうが良いと思っています。
傷やスレ それ自体が「時代を生き抜いてきた証」であるからです。
ただやむを得ず剥がす場合もあります。
塗装がヒビ割れて、ワックスを塗ったくらいではごまかせない場合やある、一部だけが異常に剥げている場合などです。
ではこの塗装の剥離ってどうやるのでしょうか?
ヤスリ掛け
ヤスリなどで擦って塗装を剥がしても良いと思います。ただ、無垢材などはいいのですが、テーブルなどですと
ちょっと厄介です。 ← ってまだ、テーブルの修理はしていません!
こんなテーブルが待っています。↓
上のようなテーブルの場合、天板が無垢の場合と「突き板」の場合があり、突き板の場合削りすぎで最悪下地が出てしまう場合があります。
(突き板とは、厚さ1mm以下になるまで薄くスライスした単板のことで、見た目重視にするためここに高級銘木を用いるのです。
まぁ 無垢だと反りの問題もありそうですね!)
ですから、気を付けて下さいね!見分けは、叩いた時の音や端の継ぎ目が目印になります。
塗装の「のり」を良くするためにも、600番程度のヤスリでサイディングする事は必要ですよ。
溶剤での剥離
アンティークの場合、シェラックを使っている事が多いので、その溶剤であるアルコールで剥離することができます。ただ、
ある程度の時間アルコールに浸しておかなくてはいけないので、テーブルの天板をアルコールで! なんて現実的にもお金的にも無理!!!
←だからヤスリがけ?!(怖)
シェラックかどうかの見分けは、塗装面をアルコールで拭いてみて色落ちしたらシェラックと思って良いそうです。
ってなんかで読みました。(笑)
で! 小さな部品をアルコールで剥離してみたのが
これ! ↓
ちなみに剥離前が これ↓
ジッパー付のビニールにアルコールを入れると良いかも。
じゃぁ デカイのどうすんのっ!!
自然のものが良いなんていっておきながら、
こんなの ↓
アサヒペンの「強力 塗料はがし液」がおすすめです。 一応 「地球にやさしい」なんて書いてありまして、しかも「生分解性」
なのだそうです。
実際使ってみました。
率直な感想は、「すごい 効き目!!」 臭いこそ多少ありますが、古時計 一式剥離しました。
当然 シェラックニスでしたし、心配した接着面への影響もありませんでした。(接合部は、膠(にかわ)で接着されています。)
ドロドロって感じではがれていきます。
今の所これが失敗もないのではないでしょうか!
これが剥離した、古時計!! 実際剥離している時はかなりビビリましたよ!(笑)
元に戻る保証なんてどこにもないし、誰にも聞けないし!!
しかも、「剥離剤」なんて使って接合部がはがれたらどうしよう!! って思いながら、しょうがねぇな って言い聞かせていました。(笑)
この時計の完成は、あと少し!!
文字盤の下にあるレリーフの塗装が上手く行かない!! シェラックは細かい細工のものは、難しい!!
今まで、4回塗装をやり直した。(涙)
今回はまた、アルコールで剥離して「オイルフィニッシュ」して、うっすらシェラックしてみようと思っています!