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2008年02月02日
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●シェラックニスの対アレルギー性について

アンティークの塗装をする上で、シェラックニスは欠かせません。
自然のものであり、安全性は非常に高いと思います。ただ、シェラックの対アレルギー性について調べてみましたが、 現在の所明確な情報はありません。
また、シェラックニスを小売してくれる「ギガタドットコム」 さんに問い合わせをしましたが、ハッキリしたお答えを持っていない様でしたが、引き続き調べて頂けるようです。

 shellac

キガタドットコム(kigata.com)さんより頂いたメールを下記に掲載します。

ここから------
当方が持っている資料によりますと、簡単ですがシェラックには下記の性質があります。
シェラックは無毒・無味・無臭で、医薬用、食品用に利用されています。FDA(米国食品医療局)は1989年GRAS物質 (安全性の確認された物質)としてシェラックを格付けしました。しかし、今回の**様のご質問に対し、 正確にお答えできる資料や情報を持ち合わせておりません。申し訳ございません。今後、正確な情報を入手することが出来た時、 改めてウェブサイト等にてお知らせいたします
ここまで------

大変誠意ある回答だと思います。
僕もここからシェラックを購入していますが、臭いも殆ど無く対アレルギー性は高いと感じますが、 その性質上 軽はずみな回答も出来ないのでしょう。

何か情報が分かりましたらまたお話します。

2006年11月18日
Top > アンティーク

●接着剤について

接着剤と言えば、パッと頭に浮かぶのが「木工用ボンド」「ボンド」「アロンアルファ」などでしょうか。
img_534832_5943750_0
では、アンティークの場合の接着剤とはどんなものが良いのでしょうか。
答えと言うより、僕の主観で言えばやはり 「膠(にかわ)」ではないでしょうか。
用語集の中に詳しく書いてありますが、「膠(にかわ)」の良い所は剥がす事を前提と出来る接着剤なのです。

剥がす事が前提と言っても、接着強度はそれの「破壊強度」に近いという実験結果も出ています。
(どこかのHPで、実験していましたが、どこだったかなぁ?)
上の写真のボンドたちは、強度はGoodですが剥がす事など考えて作っちゃいません!当り前だし、そうじゃなきゃ強度が出るわけ無いし。 (でも、それぞれ剥がしやすい方法はあるでしょう。)
膠の弱点と言えば、手軽にすぐ使えない!(使い方は後で説明します。)
しかも、木工専用である。←当り前!(笑)

まぁ、アンティークの修理を当時のままに! って言っているので「膠」を推奨します。^^
また、ヴァイオリンなどは膠で接着、シェラックで塗装されているようです。(高級なものは・・。)
そして ヴァイオリンの名器ストラディ・ヴァリウスは、膠とシェラックが使われていたそうです。(それしか無かったのでしょうけど・・。)

使い方                               

粒膠を使います。これは、DIY(ドイト)で294円で売っています。
img_534832_5943750_1

この膠を水に溶かして使います。膠は80℃から90℃前後で溶けますので、トロっとする程度に溶かすのがコツ!小さなポリ容器や缶に「膠」 と「浸る程度の水」を入れ、それより大きめの容器に水を張って温めます。直接火にかけない方が良いと思います。
膠は温度が下がればどんどん固まっていきますので、温度を一定に保った方が作業もスムーズに行くでしょう。
僕の場合はこんな↓感じで溶かします。完全硬化までは、24時間以上は必要でしょう。

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また、接着は出来るだけ「圧着」したほうが強度は上がります。

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ちょっと可哀想な話!                     

アンティーク家具を購入してよく遭遇するのが、「適当接着!!」
木工用ボンドは、初期接着力が弱い為「圧着」が前提だと思います。だから、破損個所を素早く直そうと思ったら、 その用途でないボンドを使う事になるのでしょう!!
つまり、ボンドG17(黄色いボンド)で補修している事が多々あります。
こんなの↓
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その時はついた様に見えても、それほどの時間がかからず剥がれてしまいます。これ木工用ではないし、 剥がれた所が黄色くて非常に汚いく見えます。
うるさく言うつもりは無いのですが、なんか家具が可哀想で・・・。
適当に扱われているって感じします。 売れればいいやって感じします・・・。

膠で接着すると「木は呼吸できる」 んだって! それにシェラックもそう!
そんなモノなるべく使って、直していきたいですね。^0^
剥がしたり、落としたり 出来るって事は「失敗」出来るってことだし。(笑)
厚木のGALLUP(http://www.thegallup.com)に行って、 アンティーク用のペイント材などを買いに行ってみようと思っています。






 

2006年11月04日
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●塗装の剥離について

現時点での考えと、その方法についてお話します。ただし、アンティーク家具や古時計に限定したお話です。
また、あくまで「ド素人」の考えであって、プロの方に見られたら笑われるかもしれません。(笑)

アンティークと思しき家具の塗装は、修理すると言っても、基本的には剥離しない方向のほうが良いと思っています。
傷やスレ それ自体が「時代を生き抜いてきた証」であるからです。

ただやむを得ず剥がす場合もあります。
塗装がヒビ割れて、ワックスを塗ったくらいではごまかせない場合やある、一部だけが異常に剥げている場合などです。
ではこの塗装の剥離ってどうやるのでしょうか?

ヤスリ掛け                        

ヤスリなどで擦って塗装を剥がしても良いと思います。ただ、無垢材などはいいのですが、テーブルなどですと
ちょっと厄介です。 ← ってまだ、テーブルの修理はしていません!

こんなテーブルが待っています。↓
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上のようなテーブルの場合、天板が無垢の場合と「突き板」の場合があり、突き板の場合削りすぎで最悪下地が出てしまう場合があります。
(突き板とは、厚さ1mm以下になるまで薄くスライスした単板のことで、見た目重視にするためここに高級銘木を用いるのです。 まぁ 無垢だと反りの問題もありそうですね!)

ですから、気を付けて下さいね!見分けは、叩いた時の音や端の継ぎ目が目印になります。
塗装の「のり」を良くするためにも、600番程度のヤスリでサイディングする事は必要ですよ。

溶剤での剥離                      

アンティークの場合、シェラックを使っている事が多いので、その溶剤であるアルコールで剥離することができます。ただ、 ある程度の時間アルコールに浸しておかなくてはいけないので、テーブルの天板をアルコールで! なんて現実的にもお金的にも無理!!!  ←だからヤスリがけ?!(怖)
シェラックかどうかの見分けは、塗装面をアルコールで拭いてみて色落ちしたらシェラックと思って良いそうです。
ってなんかで読みました。(笑)

で! 小さな部品をアルコールで剥離してみたのが
これ! ↓
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ちなみに剥離前が これ↓
img_534832_5880896_2

ジッパー付のビニールにアルコールを入れると良いかも。
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じゃぁ デカイのどうすんのっ!!
自然のものが良いなんていっておきながら、
こんなの ↓
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アサヒペンの「強力 塗料はがし液」がおすすめです。 一応 「地球にやさしい」なんて書いてありまして、しかも「生分解性」 なのだそうです。

実際使ってみました。
率直な感想は、「すごい 効き目!!」 臭いこそ多少ありますが、古時計 一式剥離しました。
当然 シェラックニスでしたし、心配した接着面への影響もありませんでした。(接合部は、膠(にかわ)で接着されています。)
ドロドロって感じではがれていきます。

今の所これが失敗もないのではないでしょうか!
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これが剥離した、古時計!! 実際剥離している時はかなりビビリましたよ!(笑)
元に戻る保証なんてどこにもないし、誰にも聞けないし!!
しかも、「剥離剤」なんて使って接合部がはがれたらどうしよう!! って思いながら、しょうがねぇな って言い聞かせていました。(笑)

この時計の完成は、あと少し!!
文字盤の下にあるレリーフの塗装が上手く行かない!! シェラックは細かい細工のものは、難しい!!
今まで、4回塗装をやり直した。(涙)

今回はまた、アルコールで剥離して「オイルフィニッシュ」して、うっすらシェラックしてみようと思っています!





2006年09月12日
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●アンティークとの出会い

アンティークに興味の無かった僕がある時計に出会ったことがキッカケで修理をする事が楽しみとなったのです。

八王子市にある、アジア系アンティークショップに入ったときにその時計に出会いました。 別にアンティークショップへ出かけて訳ではなく、家具の八王子村内に行った帰りに偶然目に入った店に立ち寄っただけでした。

大きな倉庫のようなそのショップは、ある外食チェーン店が経営するお店で、 元は自社で使用するアンティークな小道具を保管する為の倉庫だったそうです。大きな倉庫の一階には圧巻されるばかりの古いもの、 中国や東南アジア系の大きな扉や椅子・机などが所狭しと並んでいます。まるでコストコの様に大きな棚に縦横無尽に保管され、 はじめてみるアンティークな家具とその量で ただただ驚くだけでした。

そこの2階には割と小さいものが置かれているようで、その殆どがアジアンチックなものばかり。 ただその一角に古時計やヨーロッパ系の小物が置かれていました。導かれるようにそこに行くと、ひときわ目を奪われたのが、写真の時計でした。 金色に輝くスケルトンなその時計は、一緒に置いてある他の時計たちとは一線を画しているように見えたのです。(下の写真の左)

 img_534832_5413879_4

この画像はその時、手持ちの携帯で撮ったものですが、何せ携帯の25万画素なので小さく荒い画像です。ただ、 後日この画像をある時計職人の方に見せたら、
「出来れば手に入れた方が良いですね。」
とアドバイスを受けてしまい、購入する決心がついたのです。

この時計にはネジ回しが付いてなく、その時は動作の確認が出来なかったのですが、突出した状態の良さと何より美しい佇まいにより 「手に入れる事」が目的になっていました。

結果的には大した修理もせず、油をさしネジ回しで巻いたら何事も無かったように時を刻み始めました。
今でも我が家で元気に動いています。

この時計を説明すると、
ユンハンス(Junghans)と言うドイツの時計メーカーのものです。このメーカー現在も存在しています。日本のカシオ的なメーカーで、 良いものを安価に提供するメーカーで知っている人も少なくないのではないでしょうか。
ただ、非常に由緒正しいメーカーで、1861年創立、ドイツの老舗時計メーカーとして世界に名を馳せたのです。また、 1900年代初頭には世界最大の時計メーカーとなったのです。
戦前このメーカーの時計を手に入れる事が出来たのは、非常に裕福な家だったと言われています。

この時計 Westminster(ウエストミンスターチャイム)と言う種類で、
ネジを巻く所が3ヵ所あり、向かって右側が「キン・コーン・カン・コーン・キン・コーン・カーンコーン」(学校のチャイムと同じ) のチャイム用、向かって左側が「時報用」、そして真中が時計用になっています。このチャイム 非常に良い音がします。

この名「ウエストミンスターチャイム」は、ロンドンのウエストミンスター地区にある有名な時計塔から由来しています。 その時計塔とはかの有名な「ビッグベン!」
その時を告げる鐘の音色を、ロンドンの人達は「ウエストミンスター・チャイム」と呼ぶ事からこの名がついたのです。

観光客の中には(日本人も結構多い)、この音色は「ウエストミンスター寺院の鐘」だと思い込んでいる人が結構多いい。
この鐘のメロディだが、皆が通っていた学校のチャイムの音は、このビッグ・ベンのメロディをモデルにして作られたのですよ。^^


さて、この時計を手に入れたことがキッカケで、他の時計やアンティークに興味が湧き現在に至っています。
この時計自体の修理は殆どしなかったが、これ以降手に入れた時計は修理に次ぐ修理の連続で、 今まで手に入れたが修理をしていないものまであります。

そして本格的に修理をしたのはこれ以降3個目に手に入れた時計です。

それはユンハンスと並ぶドイツの老舗、キンツレ(Kienzle)の古時計です。塗装はボロボロ、ゼンマイは切れていたし、 台座は欠けていて到底復活する事は想像できないくらいボロボロでした・・。


が、その基本的フォルムは今までに見たこと無いくらい「美しく」「官能的」なのです。
それでは次回以降そのお話をしましょう。

2006年09月08日
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●「アンティーク」カテゴリについて

あらためて、マスターの「てるてる」です。^^

この「アンティーク」カテゴリは、アンティークなものを修理した事や所有しているモノについて
お話していきます。

じつは、将来現実のお店を開きたいと考えているんです。

 img_20060908T165622023

その為に自分が感じているお店の為の小道具を少しずつ集めています。
その一つがアンティークであり、1920年前後のイギリスのテーブルや椅子です。

ただ、アンティークショップなどで売っているものは大変高価であり、貧乏な僕には手が出ません。そこで、 半分壊れているようなものを集め修理し使っていこうと考えています。
また、時計も好きで、やはり1960年代以前と思われる、ドイツ製の時計を集めています。当然壊れているものも有りますし、 程度の悪いものも有ります。
と言うより直せそうな不良品(ゼンマイ切れや塗装の剥離etc)を好んで集めるようにしています。そしてこれらをお店に飾ったり、 使ったりする為に直していくのが目的です。


そうそう、上の写真も僕が直したものです。塗装がボロボロで、ゼンマイが切れていて破損個所もあったので直しました。この話は後日します。

あっ そうそう もし、アンティーク修理のプロの方が見ても怒らないで下さいね。
あくまでも素人が直していますので!
また、テクニック?は全て公開していきたいと思います。自分でも直せるんです。簡単に!!
それも綺麗に出来ます。 意外に!! ←率直な感想!!!

それではまた。

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 こんなのも持っていたりして! ^^;