コーヒー愛飲家にとっては嬉しい研究結果が報告された。コーヒーには、口腔がんや咽頭がんになるリスクを半減させる効果があるという。しかも、その効果はアルコールやタバコの摂取量に関わらず有効とのことで、酒好きやタバコ好きにとっても嬉しい報告である。
米国がん協会の研究者チームが、1982年に開始されたがん予防に関する研究データをもとに調査を行った。当時、この研究のために100万人に及ぶ人々のデータが集められており、今回の結果はこの膨大な記録から導き出されたものである。
研究開始から現在までの30年のあいだに、口腔がんもしくは咽頭がんで亡くなった人は868人だったそうだ。研究チームは、この868人の食生活と30年間一度もがんにかかることなく現在も生存している人々の食生活とを比較した。
その結果、両者の違いがもっとも顕著だったのは、コーヒーを習慣的に飲んでいるか否かであることが判明。一日4杯以上コーヒーを飲む人は、まったく飲まない人もしくは少量しか飲まない人に比べて49パーセントもがん発症率が低くなっていたのだ。
さらに、コーヒーが持つこの効果は飲酒量や喫煙量に関わらず期待できることもわかったとのこと。ちなみに、これはカフェインを含んだ通常のコーヒーで得られる効果だ。カフェイン抜きのコーヒーでも同じような作用は期待できるものの、その効果はカフェイン入りのものよりも低かったという。
研究者らによると、「今回の結果を踏まえると、口腔がんや咽頭がん予防の原因となっているのはカフェインではなく、コーヒーに含まれる他の抗酸化物質である可能性が高いです。しかし、いずれにしてもコーヒーには健康を促進する成分が多く含まれており、それらががん予防にも効果を発揮していることは確かなようです」とのこと。
好きなコーヒーを毎日飲んでいるだけなのにがん予防にもなっていたとは、コーヒーファンにはたまらない朗報である。